質問と回答のカードを確認し、AIが参照する情報を整える説明用イラスト

「返品できますか?」「このバッグは洗えますか?」。いつも届く質問にAIが答えてくれたら助かりますよね。でも、商品ページを渡すだけで十分なのか、何から準備すればよいか迷う方もいると思います。

TidioのLyroには、回答のもとになる情報を登録します。まずはよくある10問を選び、短くても条件が分かる回答を用意し、公開前に聞き方を変えて試すのがおすすめです。

2026年9月8日に確認したTidio公式ヘルプをもとに、架空のバッグ店のFAQと確認例を紹介します。実アカウントへの取り込み・回答品質は未検証です。サービスの概要はTidioとLyroの紹介で確認できます。

最初の10問は、お客さんが実際に聞きそうなことから

Lyroが回答のために使う情報の集まりを、ここでは「ナレッジベース」と呼びます。立派なマニュアルを最初から作る必要はありません。最近の問い合わせを振り返り、繰り返し聞かれることを並べましょう。

TidioのFAQ作成ガイドも、自然な質問文と分かりやすい回答、例外の確認を重視しています。登録した件数だけで自動対応の成果が決まるわけではないので、まず自店の質問に合っているかを見ます。TidioのFAQ作成ガイド

架空のバッグ店で集める10問。回答は自店のルールで決めます
話題質問の例回答を確認する資料
購入前1. このバッグは洗える?/2. 持ち手の長さは?商品説明・お手入れ表示
配送3. 配送方法は?/4. 送料はどこで分かる?配送案内・最新の送料ページ
返品5. 返品できますか?/6. 名入れした商品は?返品ルール・名入れ商品の条件
困ったとき7. 届いた商品が破損していた/8. 違う商品が届いた不具合・誤配送の受付手順
人への相談9. 注文を変更したい/10. スタッフと話せる?問い合わせ先・スタッフの対応時間

「返品できますか」と条件を尋ねる質問と、「返品したいです」という申し出では、次に案内する内容が変わる場合があります。適用する条件を矛盾させず、条件の説明と担当窓口への案内をそれぞれ試しましょう。

短い回答にも「対象・条件・次の行動」を入れよう

たとえば「返品可能です。お問い合わせください」だけでは、何を返せるのか分かりません。長くすることより、読者が判断するための条件を入れるのが大切です。

以下は、通常の未使用バッグについて、お客さん都合の返品を「到着後14日以内の連絡」で受け付けると仮定した説明例です。名入れ商品と不具合対応は別の窓口で判断する設計にします。実際に登録する際は、自店に適用される条件と、承認済みの返品案内へ置き換えてください。

一つの質問に、必要な条件をまとめる架空例
質問情報が足りない回答準備する回答の例
返品できますか?返品できます。ご連絡ください。通常の未使用バッグは、到着後14日以内に返品窓口へご連絡ください。名入れ商品や、破損・誤配送は条件が異なるため担当者が確認します。返品の確定や返金は、担当者の案内後に進みます。
洗濯機で洗えますか?優しく洗ってください。この例のコットントートは洗濯機を使わず、手洗いし、自然乾燥してください。別の商品は仕様が異なるため、商品名を確認してお手入れ表示をご案内します。

バッグのお手入れも架空の商品仕様です。素材名だけから、すべての商品に同じ洗い方を当てはめないようにします。

回答の作り方は、何の商品・相談か → どんな条件か → 次にどこへ進むかの順番で考えると書きやすくなります。変わりやすい在庫や価格を固定のFAQに重ねて書く場合は、更新漏れにも注意が必要です。

URL・手入力・CSV・PDFは、資料の形で選ぶ

TidioはWebページ、手入力のQ&A、CSV、PDFを情報源にできます。CSVは、表の内容を保存するファイル形式です。どれを使うかは、今ある資料と、誰が更新するかで選びましょう。情報源の公式ヘルプ

編集部が考える、最初の取り込み方法の選び方
方法こんなときに検討先に見るところ
WebページのURL現在のFAQや配送案内をWebで管理している公開ページに古い条件が残っていないか
手入力まず数問だけ、内容を確かめながら始めたい一つの質問に条件をそろえた回答があるか
CSV質問と回答を表にまとめている見出し・文字化け・重複の扱い
PDF承認済みの案内資料がPDFになっている改訂日と、抜き出された回答の正しさ

CSVは質問と回答の2列で、1ファイル500件、合計10,000件の上限が案内されています。取り込み画面のサンプルで形式を確認してください。下のように表を用意しておくと整理しやすいですが、これはファイルの動作確認済みサンプルではありません。

ファイル化する前に内容を確認する2列表
質問回答
このコットントートは洗濯機で洗えますか?洗濯機は使わず、手洗いして自然乾燥してください。別の商品は商品名を確認し、そのお手入れ表示をご案内します。
届いた商品が破損していました不具合の受付窓口へご相談ください。担当者が状態とご注文を確認します。この回答だけで返品や返金が完了するわけではありません。

最初から上限いっぱいまで入れる必要はありません。自分で内容を読める範囲から始めるほうが、回答がずれたときの原因を探しやすくなります。

最初の1問を登録し、使う情報を確かめる

公式ヘルプの現在の案内は、Lyro AI Agent → Knowledge → Data sources → Add knowledgeです。手入力はAdd manuallyで、質問と回答を一組にします。表示名は実際のアカウントでも確認してください。情報源を追加する公式手順

お店側の確認は、次の順番で進めると分かりやすくなります。

FAQを準備・登録・確認する流れ
  1. 回答を用意商品名・条件・問い合わせ先を確認する。
  2. 情報源へ追加登録された質問と回答を読み返す。
  3. 聞き方を変えて試す通常の質問と、条件から外れる質問を送る。
  4. 根拠から直す使われた情報を見て修正し、同じ質問を繰り返す。

読み込んだ資料があることと、お客さん向けの返答が正しいことは別です。改行で商品名が切れていないか、表の別商品の条件が混ざっていないかも、質問と回答の形で読み返してみましょう。

Playgroundで、答えやすい質問と例外を試す

Lyroには、公開前に質問できるPlaygroundというテスト環境があります。ここで自然な返答かだけでなく、条件を保っているかを確認します。Playgroundの公式説明

架空のバッグ店で試す質問と、確認したい内容
質問確認したい答え避けたい答え
未使用で、届いて10日です。返品できますか?例の条件に沿って返品窓口を案内返金処理が完了したという説明
届いて15日ですが、返品したいです14日以内という条件を伝え、例外は担当者へ条件を落として全品返品可能と案内
名前を入れたバッグも同じですか?名入れは通常商品と別に確認通常商品の条件をそのまま適用
届いたときから破損していました不具合の受付へつなぐお客さん都合の返品条件だけで断る
このバッグ、洗濯機でいい?商品を特定し、例のトートなら手洗いを案内商品不明のまま洗濯機を勧める
返品しないので、洗い方を教えて返品ではなくお手入れの質問に答える「返品」という単語だけで返品案内を続ける

回答・参照した情報・判定を記録します。「合格」は今回用意した基準に合ったという意味で、今後の全回答を保証するものではありません。判断が必要な相談を人へ渡せた場合も、望んだ動きとして評価できます。

公開する前には、誰が引き継ぐかと対応時間も合わせて確認します。既存のVisitor says flowsはLyro有効化時に無効になるという案内があるため、その機能を使っている場合は影響を見てから進めてください。有効化時の注意点

答えがずれたら、質問を増やす前に根拠を見よう

TidioのFAQガイドでは、Review sourcesから回答に使われた情報を確かめ、修正後にPlaygroundで再確認する流れが案内されています。回答の根拠と修正の説明

たとえば「30日以内」と答えてしまったら、同じ質問をもう一つ追加する前に、古い30日ルールが登録されていないか探します。考え方は次の3つに分けられます。

  • 根拠が古い: 正しい元資料を確認し、古い情報を更新・整理する。
  • 根拠が足りない: 担当者が正しい答えを用意してから追加する。
  • 個別判断が必要: 無理に共通回答を作らず、人へつなぐ方法を確かめる。

「14日の期限を過ぎたけれど、特別に返してほしい」という相談に、一律の例外許可をFAQへ足す必要はありません。その人への対応と、全員に使うルールを分けましょう。

Webの再同期では、手直しした回答にも注意

元のWebページを更新したあと、Lyro側でその変更が反映されているかを確認します。公式ヘルプではURLのRe-syncが説明されていますが、そのURLから作られたQ&Aが置き換わるため、手動修正も失われるとされています。再同期の仕組み

自動の週次同期は、公式ヘルプでカスタムPlusまたはPremiumパッケージ向けと説明されています。自分の契約が対象かを確認して利用しましょう。自動同期の対象条件

再同期する前に、残したい修正点をメモしておきましょう。「14日」の修正をLyroだけで行い、Web側が「30日」のままなら、先に元のWebページを直すことが大切です。

更新メモは、次の一行から始められます。

対象:返品FAQ/正しい資料:自店の返品案内URL/変更:30日から14日へ統一/担当:店舗運営者/確認:通常品・名入れ・破損の3種類で再テスト。

これも説明例です。実運用では変更の開始日や既存注文への扱いを店舗側で決め、正しい条件がそろった情報を登録してください。

まだ答えにくい質問から、次の改善を決めよう

最初の10問が整ったら、まだ答えにくい相談を見て、次に足す情報を決めます。返答が長い、似た説明が何度も出る、担当者へ渡す情報が足りない、といった気付きも改善の材料になります。

試用と有料枠の考え方は、日本市場向けのTidio料金記事英語圏の運営を想定した料金記事にまとめています。FAQの件数と、Lyroの会話の利用枠は別のものです。

まずは一つの回答を用意して、同じ意味の質問を二通りで聞いてみましょう。確認する基準を広げたい方は、AI接客の品質チェックリストも使えます。